こんにちは、くらたです。
戦闘思考塾十級:3冊の本を読み感想を書く。
2冊目です。
2冊目:うるうの朝顔
2冊目に
第17回小説現代長編新人賞受賞作で
水庭れんさんの小説
「うるうの朝顔」を読みました。
自己肯定感は低いが
根拠のない自信のあるくらた。
いつか私もこの賞に応募してみたいなと思い
参考にと言う気持ちもあって選びました。
そしてこの感想、
あまり人に見せることを意識せずに書いたので
やたらと偉そうに文句を言っています。
不快な思いをされた方すみません…
感想
完成度が高いと思った。
きちんと全ての事象に理由がつけられていて
変に疑問が残ることがなかった。
私はミステリーが好きだが
いつも話が終わった後
「はてあの謎の理由は
一体なんだったのかしら?」
と思い残すことがあり
この小説にはなかったことが印象的だった。
繊細な感情の変化が描かれており、
ファンタジー要素が組み込まれていることに
違和感さえ覚えるくらいだった。
逆にファンタジー要素なしでも
よかったのでは…?と思ってしまうほど。
人と人が関わる中で
死者の想いに気づいていくという仕様だと
嬉しかったなと個人的に思った。
私の中の死生観では
死は亡くなった人のものではなく
亡くなった人の周りの人のもの
だと思っている。
だってその人が亡くなったことを
受け止めてその後どう行動するかは
その人以外の人にしか出来ないことだから。
残された者の中で解決すべきなのでは?
乗り越えるべきなのでは?
亡くなった人のアシストを受けるなんて
ズルだと感じてしまう。
せっかく多くの登場人物がいて
多様な人間関係を作り上げていたし、
日置凪という青年の紡ぐ言葉は
素敵で芯を食ったようなものも多かったので
凪の一言もしくはせめて能力をきっかけに
残された人の蟠りを解く物語だと
良かったなあと思った。
また私は恵まれた人生を
送れているのかもしれないと思った。
離婚したからといって
実家に身を寄せる必要はないくらいの
給料が貰えていて
親はなかなかに社会不適合者であったが
それに苦しめられた経験も
軽微だったように思う。
決して優秀な人間ではないと思うが、
周りに恵まれて
少なからず地位や自信を得ることが
出来ている。
そして最後に私は純粋に凪が好きだと思った。
賢さ、人懐っこさ、
不思議で儚げな雰囲気を持ち合わせる人が
私は好きである。
私と違って金銭に執着しないところも
羨ましく思う。
せっかくなのだからもう一歩
二葉と親密になれた様子が見られると
嬉しかった。
まあこの2人の長年の関係から考えれば、
違和感のない精一杯の距離感だろうか。
アナのことも考えれば
数年後に良き関係になっているという場面が
付け足されるくらいが程よいか。
価格:1815円 |
くらた
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