こんにちは、くらたです。
戦闘思考塾十級:3冊の本を読み感想を書く。
ラストの3冊目です。
3冊目:アンネの日記
ここまでエッセイ、小説ときたので
最後にノンフィクションを読もうと思い
おすすめのノンフィクションを調べまして
タイトルを聞いたことはあるけど
読んだことないなとアンネの日記を
読むことにしました。
感想
私はこの本を読み始める時点で
物語の結末を知ってしまっていた。
帯にはっきりと書いてあったのだ。
この物語の主人公は
2年もの間、
世を忍んで隠れ家生活を過ごした後に
亡くなってしまうと。
享年15歳、
あまりに若く、
もし自分がアンネなら
ユダヤ人であることを恨んでも恨みきれない。
またこの物語が
ノンフィクションであるということも、
より一層、私の心を痛めた。
物語の冒頭、
私はこの主人公に入り込むことが
できないのではと思った。
裕福な家庭に生まれ、
多くのクラスメイトに囲まれて
至極当然のように愛される様子は
羨ましい限りだった。
同年代の頃の私といえば、
いわゆるスクールカーストの底辺にいた。
私のいるべき場所は
ここではないと思いながらも、
抜け出す努力は出来ない怠惰な学生だった。
アンネは隠れ家生活の中で
常に最善でいられるよう
努力していたように思える。
それは彼女の心の内を書き出した
そんな日記であったためかもしれないが、
少なくとも彼女の心の中では
常に何かを思い、考え、
自分なりに行動を繰り返しているように
感じた。
明るく、お喋りで、
13、14歳にしては深い思考を持つ彼女は、
大人から見ると鼻もちならない
マセガキだったのかもしれない。
そこまでは思ってなくとも、
目立つ分口煩くされてしまうことは
想像がついた。
きっと大人たちも
余裕がなかったんだろうと思う。
子供らしさを求められるアンネと
大人らしさを求められる周りの大人たちが
鮮明に描かれていた。
自然と大人たちの欠点ばかりを
情けなく感じてしまっていたが、
自分が同じ立場ならどうだろう。
今私が考える「あるべき大人像」であれたか?
結婚生活にも失敗し、
子ども1人も育てたことがないのに
言えたもんじゃないなと思った。
とにかくアンネは勤勉で、
しかしそれを鼻にかけず、明るく振る舞い、
隠れ家生活に明かりを灯す存在だと感じた。
隠れ家に押し込まれて、
日々悪くなっていく環境、増えるトラブル、
終わりの見えない状況でも
それらをユーモアたっぷりに
書き上げられること、
人間関係に思い悩んでも、批判の多くを
日記の中で済ませてしまうことから
明るく賢く強い女の子だと思った。
私が唯一、
アンネと同じだと思えるところがあった。
両親には自分のことを理解してもらえていない
と思っていること、
もう1人の自分を
見せないようにしていたことだ。
いつの時代の子どもも同じなのだろうか。
恋人やパートナーの方が本当の私を知り、
理解してくれていたように思う。
そしていつしか理解者のことも遠目に見て、
この関係を続けてはいけない、
相手に変わってもらわなければならないと思い
悩むところも。
アンネがこの隠れ家生活を
終えることが出来たなら、
バリバリ働く賢くて逞しい女性に
なっていた気がする。
惜しい人を亡くした。
この時代どれだけの惜しい人が
失われたんだろう。
こう言うと惜しくない人なんているかと
言われてしまうかもしれないが。
結末もとても心苦しいものだった。
待ち望まれていた上陸作戦は開始され、
ユダヤ人への迫害も
もう少しで落ち着くと言うタイミング。
これが映画なら、連行されても
死ぬ間際に助かっていたと思う。
あと少し、あと少しだったと言うのに…
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くらた
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